この恋は世界でいちばん美しい雨
愛するあの人と、命を奪い合うことになったら…
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この恋は世界でいちばん美しい雨
著者:宇山 佳佑(うやま けいすけ)
発売日:2018/11/5
単行本:108ページ
内容
鎌倉の海辺の街で穏やかな同棲生活を送っていた、駆け出しの建築家・誠とカフェで働く日菜。
ある日、事故で瀕死の重傷を負ってしまった2人のもとに、”案内人”を名乗る男女があらわれ、ある「奇跡」を与えられることになる。
2人はその「奇跡」によって生き返ることになるが、それは愛し合う2人が互いの命を奪い合う、過酷で切ない奇跡だった…
感想
2人に与えられた奇跡は ”ライフシェアリング”。
1人10年、2人合わせて20年の余命を与えられ、幸せを感じれば相手から1年寿命を奪い、不幸を感じれば相手から1年寿命を奪われるというもの。
まさにひとつの命のシェア。
協力しながら生きていく自信があった二人も、毎日の命の奪い合いに徐々に心を疲弊させていく。
普段暗い話を読むことが多いからか、”命の奪い合い”というと殺伐としたストーリーになるのかと思っていた。
でも読み進めると、過酷な話なのに心が不思議と穏やかになっていく。
いつの間にか読む手が止まらなくなり、自然と涙が出ていました。
ポロ…という涙ではなく、最後には嗚咽するくらい泣いてました。
ティッシュ必須です。
そして、もし自分だったらどうするかな…と考えました。
死ぬのは怖い、でも死んでほしくない。
1人になりたくない、でも1人にしたくない。
幸せになりたい、でも命を奪いたくない。
幸せになってほしい、でも命を奪われたくない。
自分の命なんてどうでもいいから大切な人に生きてほしい、
と迷わず選べるような勇気はないけれど、答えも出ないけれど、
”今”を大切にしたくなりました。
タイトルの通り、”美しい雨”を感じることができるお話でした。
感傷的になったのか、ちょっと空を見上げてしまうほど。
しばらくは雨が好きになりそうです。
<こんな人にオススメ>
- 優しい話が読みたい人
- ラブストーリーが好きな人
- 心が疲れているなと感じる人
- 恋人とのマンネリに悩んでいる人
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