許されようとは思いません
バレなければ大丈夫…なはずだった
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許されようとは思いません
著者:芦沢 央(あしざわ よう)
発売日:2016/6/22
単行本:235ページ
内容
入社3年目。営業成績は常に最下位。
あるとき営業成績を大きく上げ、上司からも「一人前」と認められた。
しかし本来の注文の11倍もの誤受注をしていることを発見して
誇らしい気持ちから一転、地獄に突き落とされる。
大丈夫、バレなければなんとかなる…
ーーーーーー「目撃者はいなかった」
「ありがとう、ばあば」
「絵の中の男」
「姉のように」
「許されようとは思いません」
5つの短編で楽しめるイヤミスです。
感想
何の前知識もなく、書店員さんのポップで「全員闇落ち」と激推し(?)されていたので
イヤミス好きとしては避けて通れず手に取りました。
「姉のように」が人気なようですが、私は「目撃者はいなかった」が好き。
特殊な状況でもなく、極悪人でもなく、
普通に生きていて身近に起きそうな出来事が”闇落ち”のきっかけになっている。
小心者の私は主人公・修哉の気持ちがわかる気がするので、
余計にぞわぁ…とした気持ちになりました。
これぞイヤミス。
<こんな人にオススメ>
- イヤミスが大好き!
- ちょっと寒くなりたい人(気持ち的に?)
- どんでん返しを体験したい人
- ちょっとした隙間時間に本を読みたい人
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さよなら神様
神様再び。
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さよなら神様
著者:麻耶 雄嵩(まや ゆたか)
発売日:2014/8/6
単行本:282ページ
内容
「犯人は〇〇だよ」
鈴木君は絶対に間違えない。だって彼は神様だから。
街で起こった殺人事件。全知全能の神を自称する鈴木。
そして彼の言葉に翻弄されながらも、事件の調査をする少年探偵団。
人の生死すら些末なことで、退屈しのぎだという神様の言葉は本当なのか。
感想
前作「神様ゲーム」の続編。
続編といっても話はつながっていないので、舞台となる街も登場人物たちも全く別となります。ただ一人、全知全能の神・鈴木を除いては。
「犯人は〇〇だよ」という鈴木の言葉から始まるミステリー。
短編集のような構成になっているので、とても読みやすいです。
事件を独自に追う少年探偵団はコ〇ンもビックリするほどの、ベテラン刑事並みの少年少女ばかり。
正直、こんな小学生はいないだろ、と思うが、
鈴木=神様を前提として話が進むので、それを疑いながらも信じてしまうくらいの年齢が必要なのかもしれない。
これがもし大人だと、鈴木君は危ない奴と避けられかねない。
そしてこれは登場人物がみんないい感じに気持ち悪くて(言葉がおかしいw)
前作に負けないくらいイヤ~な、モヤモヤした気持ちになれる小説でした。
前作もそうだけど、読後にこれほど他の読者の感想や考察を読みたくなる小説もなかなかないんじゃないでしょうか。
<こんな人にオススメ>
- イヤミスが大好き!
- ちょっと寒くなりたい人(気持ち的に?)
- 考察が好きな人
- 先の読めないミステリーが好きな人
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神様ゲーム
神様を信じますか?
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著者:麻耶 雄嵩(まや ゆたか)
発売日:2005/7/7
単行本:224ページ
内容
ある町で勃発した連続猫殺し事件。主人公・芳雄の同級生の愛猫も犠牲になってしまう。犯人を瞬時に言い当てたのは「神様」を自称する謎の転校生・鈴木だった。
世の中のことはすべてお見通しだと言う「神様」にゲーム感覚で付き合う芳雄。しかし「神様」は次々に予言を的中させていき、芳雄も殺人事件に巻き込まれていく。
「神様」の言葉は”予言”なのか、それとも偶然なのか。
感想
すごく後味が悪いです。読んだ後に児童向けだと知って驚き…。
とても子供には読ませられないような…(-_-;)
少年探偵団が町で起こった猫殺しの犯人を捜そうと捜査をするなかで、殺人事件に巻き込まれていく。最初はゲーム感覚で自称「神様」の鈴木の言葉を聞いていた芳雄も、次第にその言葉を信じていくことになる。
この物語は鈴木=神様を信じるかどうかで、起こった出来事が違う意味をもってくる。事故なのか、事件なのか。偶然なのか、神様の意志なのか。本当なのか、嘘なのか。
読み終わったあと、もう一度読み直したくなる。
他の人の感想や考察を聞いてみたくなる。
そんな作品です。
こうかもしれない、でもああも考えられるぞ、なるほどそんな見方もできるのか、
読み終わったあとも楽しめる、イヤミス好きにはたまらない作品でした。
<こんな人にオススメ>
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この恋は世界でいちばん美しい雨
愛するあの人と、命を奪い合うことになったら…
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この恋は世界でいちばん美しい雨
著者:宇山 佳佑(うやま けいすけ)
発売日:2018/11/5
単行本:108ページ
内容
鎌倉の海辺の街で穏やかな同棲生活を送っていた、駆け出しの建築家・誠とカフェで働く日菜。
ある日、事故で瀕死の重傷を負ってしまった2人のもとに、”案内人”を名乗る男女があらわれ、ある「奇跡」を与えられることになる。
2人はその「奇跡」によって生き返ることになるが、それは愛し合う2人が互いの命を奪い合う、過酷で切ない奇跡だった…
感想
2人に与えられた奇跡は ”ライフシェアリング”。
1人10年、2人合わせて20年の余命を与えられ、幸せを感じれば相手から1年寿命を奪い、不幸を感じれば相手から1年寿命を奪われるというもの。
まさにひとつの命のシェア。
協力しながら生きていく自信があった二人も、毎日の命の奪い合いに徐々に心を疲弊させていく。
普段暗い話を読むことが多いからか、”命の奪い合い”というと殺伐としたストーリーになるのかと思っていた。
でも読み進めると、過酷な話なのに心が不思議と穏やかになっていく。
いつの間にか読む手が止まらなくなり、自然と涙が出ていました。
ポロ…という涙ではなく、最後には嗚咽するくらい泣いてました。
ティッシュ必須です。
そして、もし自分だったらどうするかな…と考えました。
死ぬのは怖い、でも死んでほしくない。
1人になりたくない、でも1人にしたくない。
幸せになりたい、でも命を奪いたくない。
幸せになってほしい、でも命を奪われたくない。
自分の命なんてどうでもいいから大切な人に生きてほしい、
と迷わず選べるような勇気はないけれど、答えも出ないけれど、
”今”を大切にしたくなりました。
タイトルの通り、”美しい雨”を感じることができるお話でした。
感傷的になったのか、ちょっと空を見上げてしまうほど。
しばらくは雨が好きになりそうです。
<こんな人にオススメ>
- 優しい話が読みたい人
- ラブストーリーが好きな人
- 心が疲れているなと感じる人
- 恋人とのマンネリに悩んでいる人
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